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黄鉄鉱(おうてっこう、Pyrite、パイライト)

 黄鉄鉱(おうてっこう、Pyrite、パイライト)は鉄の硫化鉱物(等軸晶系)で、硫化鉱物の中では最もふつうに産出される鉱物です。

 その産状はきわめて広く、低~中温熱水脈、スカルン鉱床、黒鉱鉱床をはじめとする塊状硫化物鉱床、熱水変質岩中、含銅硫化鉄鉱床、泥質堆積岩中などに黄銅鉱、閃亜鉛鉱、方鉛鉱などと共に産するほか、還元性条件下の湖水堆積物中、深海底のスモーカー(海底から噴出する熱水からの沈殿物が堆積した煙突状の構造物)周辺の堆積物中などにも産します。

 非常に結晶しやすい鉱物で、大型の単結晶もよくみられます。自形結晶の形は立方体、五角十二面体、またはそれらの集形のものが多く、それらが集合し塊状となったものも多くみられます。スペインからは滑石中の美しい立方体の黄鉄鉱が多く産出されています。八面体のものもありますが比較的希産です。五角十二面体の五角形の面は等軸晶系の鉱物の中でもとりわけ黄鉄鉱に現れるので、黄鉄鉱面とも呼ばれています。しばしば結晶面に条線を確認できます。
 色は金属光沢を持つ淡黄色(真鍮色)で、歴史的にも金と間違われた逸話が数々ありますが、金よりもやや淡い色合いをしています。

 容易に硫黄分が酸化分解し、赤鉄鉱や針鉄鉱に変わります。このとき硫酸を生じ、石膏や鉄明礬などを生成することがあります。またこの酸化分解の際に生じた硫酸が公害源として有害視されることもあります。

 黄鉄鉱は鉄の原料としてよりも以前はむしろ硫黄化合物、特に工業的に最も重要な化学物質である硫酸の原料(黄鉄鉱を焼いて亜硫酸ガス(二酸化硫黄)とし硫酸とする)として利用されてきましたが、現在においては石油の脱硫過程で硫黄が大量に得られるようになったため、工業的な価値は低下しています。

 日本における産地もきわめて多いですが、中でも福岡県の吉原鉱山の一稜の長さが15cmを超えるものや、新潟県の赤谷鉱山の三方晶系の対称を示す三方変形結晶の産出例は有名です。

 黄銅鉱と見た目や色が似ていますが、黄銅鉱の結晶形がはっきりしない点と硬度によって区別することができます。

 白鉄鉱と組成が同じですが、結晶構造が違うため別の鉱物として扱われます(多形、または同質異像といいます)。

 英名のPyriteは、硬度が6~6.5と硫化鉱物の中では異常に硬く、ハンマーなどで叩くと火花が出るので古くから火打石としても利用されてきたことから、古代ギリシャ語で「火」を意味する「πυρ (pyr)」がラテン語の「pyrites」を経て英語の「pyrite」になったものです。
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